事業再構築補助金の「物価高騰対策・回復再生応援枠」とは?
事業再構築補助金とは、企業の思い切った事業再構築を支援する補助金です。
事業再構築補助金には8つの枠がりますが、中でも採択率が高いといわれているのが「物価高騰対策・回復再生応援枠」となります。
今回は、事業再構築補助金の物価高騰対策・回復再生応援枠について解説します。
事業再構築補助金の概要
事業再構築補助金の概要
事業再構築補助金とは、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための企業の思い切った事業再構築を支援する補助金。
事業再構築補助金のポイントは、新市場進出や事業・業種変換など「思い切った事業再構築」を支援する補助金である点です。
「新型コロナウイルスの影響で売り上げが減った」という事実のみでは、申請しても採択されない可能性が高いでしょう。
必須条件
事業再構築補助金の対象者は、日本国内に本社を有する中小企業者や中堅企業などです。
事業再構築補助金を申請するためには、全枠共通で以下の2つの条件を満たす必要がありま
● 経済産業省示す「事業再構築指」に沿った3~5年の事業計画書を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。
● 補助事業終了後3~5年で付加価値額を年率平均3.0%~5.0%(事業類型により異
なる)以上増加させること。または従業員一人当たり付加価値額を年率平均3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上増加させること。
対象となる経費
事業再構築補助金の補助対象となる経費は、本事業の対象として明確に区分できるもの、かつ必要性と金額の妥当性を証拠書類によって明確に確認できものに限ります。
対象経費の区分は以下を参考にしてください。
● 建物費(建物の新築については必要性が認められた場合に限る)
● 機械装置・システム構築費
● 技術導入費
● 専門家経費
● 運搬費
● クラウドサービス利用費
● 外注費
● 知的財産権等関連経費
● 広告宣伝・販売促進費
● 研修費
それぞれの対象経費の詳細については、事業再構築補助金の公式サイトを確認してください。
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
募集要項
事業再構築補助金の第10回公募が開始されました(サプライチェーン強靱化枠を除く)。
公募期間と申請期間はそれぞれ以下の通りです。
公募開始:令和5年3月30日(木)
申請受付:調整中
応募締切:令和5年6月30日(金)18:00
補助金交付候補者の採択発表:令和5年8月下旬~9月上旬頃(予定)事業再構築補助金の物価高騰対策・
回復再生応援枠とは
事業再構築補助金の物価高騰対策・回復再生応援枠は、採択率の高さが特徴です。
事業再構築補助金の物価高騰対策・回復再生応援枠について詳しく解説します。
概要
事業再構築補助金には、以下の8つの事業類型があります。
● 成長枠
● グリーン成長枠
● 卒業促進枠
● 大規模賃金引上促進枠
● 産業構造転換枠
● サプライチェーン強靱化枠
● 最低賃金枠
● 物価高騰対策・回復再生応援枠
物価高騰対策・回復再生応援枠の概要は、原油価格・物価高騰の影響を受ける中小企業などの事業再構築を支援します。
必須条件
物価高騰対策・回復再生応援枠の必須条件は、全枠共通の条件に加えて以下のいずれかを満たしている必要がります。
- 2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が対2019~2021年の同3ヶ月の合計売上高と比較して10%減少していること
- 再生事業者であること
①に関しては、2022年1月以降の連続する6ヶ月のうち、任意の3ヶ月の合計付加価値額が対2019~2021年の同3ヶ月の合計付加価値額と比較して 15%以上減少していることでも可能です。
補助率
物価高騰対策・回復再生応援枠の補助金額は以下の通りです。
従業員数 | 補助率 |
5人以下 | 100万円~1,000万円 |
6~20人 | 100万円~1,500万円 |
21~50人 | 100万円~2,000万円 |
51人~ | 100万円~3,000万円 |
採択率
物価高騰対策・回復再生応援枠は、「回復・再生応援枠」と「緊急対策枠」が統合される形で第10回から新設された枠です。
よって採択率は不明ですが、新型コロナウイルスや物価高騰を受けて採択率は多くなるのではないかといわれています。
参考までに第8回公募の採択率は以下の通りです。
応募件数 | 12,591件 |
採択件数 | 6,456件 |
採択率 | 約51.3% |
回復・再生応援枠
応募件数 | 1,522件 |
採択件数 | 879件 |
採択率 | 約57.8% |
緊急対策枠
応募件数 | 3,201件 |
採択件数 | 1,721件 |
採択率 | 約53.8% |
全体の採択率と比較すると、回復・再生応援枠と緊急対策枠はともに高い採択率となっています。
2つの枠が統合されたのが物価高騰対策・回復再生応援枠なため、採択率の高さには期待が持てそうです。
活用例
飲食店向けの酒類卸売をメインに小売店を経営していたものの、新型コロナウイルスの影響で飲食店向けの売上が大きく減少した経営が悪化した。
そこで卸売事業を譲渡し、自社製造の酒類を販売する小売業に事業転換することにした。
事業再構築補助金「物価高騰対策・回復再生応援枠」まとめ
第10回から新設された事業再構築補助金「物価高騰対策・回復再生応援枠」は、採択率が高くなると予想されています。
事業再構築補助金の申請にお困りの方は、ぜひサポラボまでご相談ください。
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